「処暑の候」の読み方と意味、適切な使用時期と例文、手紙の締め方まで
処暑の候の読み方や意味は?
「処暑の候」という表現は、手紙や葉書を書く際に使われる時候の挨拶の一つで、「しょしょのこう」と読みます。この挨拶は、季節の変わり目を表す際に用いられ、特に「処暑」は、暑さがやわらぎ、秋の気配が近づいてくる時期を指します。
日中はまだ暑い日が続くかもしれませんが、朝夕は涼しい風が吹き、過ごしやすい時期を意味します。これは、「暑さがピークを過ぎ、秋に向かっている」ということを示しています。
「処暑」は「二十四節気」の一つで、日本の伝統的な季節を24に分けた区分の中のひとつです。
二十四節気は、自然界の変化を細かく捉え、季節の移り変わりを表すために用いられます。「候」という字は「季節」を意味し、「◯◯の候」は「◯◯の季節になりました」という意味合いを持ちます。
したがって、「処暑の候」は、「暑さが和らぎ秋が近づいてきた季節になりました」という挨拶として用いられます。
時候の挨拶では、漢字の音読みを用いることが多く、「処暑の候」もその例に漏れません。ただし、「候」の読み方を「そうろう」と誤ることがないよう注意が必要です。この挨拶を通じて、季節の変わり目を感じ取りながら、相手に対する思いやりを表現することができます。
処暑の候の時期やいつまで使用できる?
「処暑の候」という表現は、季節の挨拶として用いられる期間があり、その範囲は年によって若干異なることがあります。これは、「春分の日」や「秋分の日」が毎年固定されていないのと同様の理由によります。
具体的に、処暑の日は毎年8月23日頃に設定されており、これは二十四節気の一つとして定められています。次にくる節気は「白露」で、これは2018年と2019年では9月8日頃となっています。
したがって、「処暑の候」という挨拶は、処暑の日から白露の前日まで、つまり8月23日から9月7日までの期間に適切に使われます。この時期は、文字通り「処暑」の節気に当たり、暑さが和らぎ始める季節の変化を表現するのに最適な時期と言えます。
二十四節気は他に何がある?
二十四節気は、季節の変化を示す古来からの暦で、年間を通じて自然界の周期的な変化を24に分けて表します。これらは、特定の時期や季節の特徴を捉え、年中行事や農作業の目安として用いられてきました。以下は、四季を通じた二十四節気の一覧です。
二十四節気:春
- 立春(りっしゅん): 2月4日頃、春の始まりを告げる時期。
- 雨水(うすい): 2月19日頃、雪が溶けて雨が増える時期。
- 啓蟄(けいちつ): 3月6日頃、冬眠していた生物が目覚める時期。
- 春分(しゅんぶん): 3月21日頃、昼夜の長さがほぼ等しくなる時期。
- 清明(せいめい): 4月5日頃、自然が清らかで明るくなる時期。
- 穀雨(こくう): 4月20日頃、穀物を潤す雨が降る時期。
二十四節気:夏
- 立夏(りっか): 5月6日頃、夏の始まりを告げる時期。
- 小満(しょうまん): 5月21日頃、万物が成長し始める時期。
- 芒種(ぼうしゅ): 6月6日頃、種まきの時期。
- 夏至(げし): 6月21日頃、一年で最も昼が長い時期。
- 小暑(しょうしょ): 7月7日頃、暑さが本格化する時期。
- 大暑(たいしょ): 7月23日頃、一年で最も暑い時期。
二十四節気:秋
- 立秋(りっしゅう): 8月7日頃、秋の始まりを告げる時期。
- 処暑(しょしょ): 8月23日頃、暑さが和らぎ始める時期。
- 白露(はくろ): 9月8日頃、朝夕に露が白く見える時期。
- 秋分(しゅうぶん): 9月23日頃、昼夜の長さが等しくなる時期。
- 寒露(かんろ): 10月8日頃、冷え込み始める時期。
- 霜降(そうこう): 10月23日頃、霜が降り始める時期。
二十四節気:冬
- 立冬(りっとう): 11月7日頃、冬の始まりを告げる時期。
- 小雪(しょうせつ): 11月22日頃、初雪が見られる時期。
- 大雪(たいせつ): 12月7日頃、雪が多く降る時期。
- 冬至(とうじ): 12月22日頃、一年で最も昼が短い時期。
- 小寒(しょうかん): 1月5日頃、寒さがさらに厳しくなる時期。
- 大寒(だいかん): 1月20日頃、一年で最も寒い時期。
これらの節気を通じて、日本では古くから四季の変化を細かく感じ取り、生活や文化に織り込んできました。
処暑の候の例文と結び
手紙の書き方において、「処暑の候」を用いることは、季節に応じた挨拶として非常に適切です。この表現を使った手紙は、主に三つの部分に分けて構成されます。
- 頭語(はがきご): 手紙を始める際に用いる敬語で、「拝啓」や「謹啓」が一般的です。これらは、フォーマルな文脈において使用され、「処暑の候」のような堅い表現と自然に調和します。
- 時候の挨拶(じこうのあいさつ): ここでは、「処暑の候」をはじめとする季節の挨拶を行います。8月には「晩夏の候」「立秋の候」「初秋の候」「避暑の候」といった他の表現も適切ですが、「処暑の候」は暑さがやわらぎ始めるこの時期を象徴する挨拶として用いられます。
- 相手の安否を尋ねる文(あいてのあんいをたずねるぶん): 手紙のこの部分では、相手への気遣いや心配りを示します。例えば、「お変わりなくお過ごしでしょうか」「ご健勝のこととお喜び申し上げます」といった表現が含まれます。
これら三つの要素を組み合わせることで、季節感を取り入れつつ、相手への敬意と心配りが伝わる手紙の前文を作成することができます。
「処暑の候」を使った例文です!
書き出しは、以下のようになります。
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