【6月の季語一覧】俳句・時候の挨拶・植物・生き物・食べ物別に紹介

俳句や時候の挨拶を知りたいんだけど6月に適している俳句や時候の挨拶って何かな??
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6月にも沢山の俳句や時候の挨拶があります!ここでは「【6月の季語一覧】俳句・時候の挨拶・植物・生き物・食べ物別に紹介」を紹介しているのでよかったら参考にしてくださいね^^
目次

【6月の季語一覧】俳句・時候の挨拶・植物・生き物・食べ物別に紹介

6月は初夏の訪れを告げる季節で、自然界では多彩な変化が見られます。俳句や時候の挨拶に使える季語も豊富にあります。ここでは、植物、生き物、食べ物に分けて、6月にふさわしい季語を一覧にしてみましょう。

主な植物↓↓

  • 紫陽花(あじさい):梅雨の季節を象徴する花として知られています。
  • 芒(のぎ):夏の訪れを告げる、野に咲く草花です。
  • 蓮(はす):初夏に美しい花を咲かせる水生植物です。
  • 茉莉花(まつりか):ジャスミンの香り高い花が特徴です。

主な生き物↓↓

  • 蛍(ほたる):初夏の夜を彩る、幻想的な光を放つ昆虫です。
  • 鳴蛙(なきがえる):雨の季節に活発に鳴き始めるカエルです。
  • 鰻(うなぎ):夏バテ防止に良いとされる、この時期に旬を迎える食材です。

主な食べ物↓↓

  • 初梅(はつうめ):6月になると収穫され始める梅です。梅酒や梅干しの材料になります。
  • 茶摘み(ちゃつみ):新茶の季節を迎え、最高の香りを楽しめる時期です。
  • 小麦刈り(こむぎかり):夏を前にして、小麦の収穫が行われます。

これらの季語を取り入れることで、俳句や時候の挨拶に季節感を盛り込むことができます。

6月の自然や文化を感じながら、言葉遊びを楽しんでみてはいかがでしょうか。

6月の植物の季語

出典:https://trad-japan.com/june-about/

1.時計草(トケイソウ)2. 朱欒の花(ザボン)3. 山梔子の花(クチナシ)4. 十薬(ジュウヤク=どくだみ)5. アマリリス6. 萍(ウキクサ)7. 夏桑8. 夏蓬(ナツヨモギ)9. 酢漿草10. 石榴の花(ザクロ)11. 木苺12. アイリス13. 杜若(カキツバタ)14. 若竹15. 榊の花16. 鬼灯の花(ホオヅキ)17. 南瓜の花18. 額の花19. 桑の実20. ベゴニア21. 人参の花22. ガーベラ23. 苺24. グラジオラス25. 著莪(シャガ)26. 苔の花27. 栗の花28. 矢車草(ヤグルマソウ)29. 紫蘭(シラン)30. 胡瓜の花31. 花田植32. 桜の実33. 青葦34. 干草35. 茄子の花36. 蛇苺37. サルビア38. 蓼(タデ)39. 蜜柑の花40. えごの花41. 紅の花42. 鈴蘭43. あやめ44. 夏草45. 青芒(アオススキ)46. 馬鈴薯の花47. 浜昼顔48. 孔雀草49. 黴(カビ)50. 月桃の花(ゲットウ)

6月の生き物の季語

1.黒鯛(クロダイ)2. 魚簗(ヤナ)3. 亀の子(カメノコ)4. 蟾蜍(ヒキガエル)5. 蛭(ヒル)6. 鰻(ウナギ)7. 山椒魚(サンショウウオ)8. まひまひ(マヒマヒ)9. 河骨(カワホネ)10. 鮎(アユ)11. 夜振(ヨブリ)12. 鰹(カツオ)13. 葭切(ヨシキリ)14. 白鷺(シラサギ)15. 油虫(アブラムシ)16. 羽蟻(ハアリ)17. 蝙蝠(コウモリ)18. 郭公(カッコウ)19. 蛇の衣(ヘビノキヌ)20. ぼうふら(ボウフラ)21. 五位鷺(ゴイサギ)22. 蝿(ハエ)23. 蚤(ノミ)24. 蟻地獄(アリジゴク)25. 蚊(カ)26. 夜鷹(ヨタカ)27. 夏の蝶(ナツノチョウ)28. 熱帯魚(ネッタイギョ)29. 蝮(マムシ)30. 通し鴨(トオシガモ)31. 鯰(ナマズ)32. 蟹(カニ)33. 水馬(アメンボ)34. 岩燕(イワツバメ)35. 雪加(セッカ)36. 糸蜻蛉(イトトンボ)37. 蜘蛛(クモ)38. 守宮(ヤモリ)39. 蜥蜴(トカゲ)40. まくなぎ(マクナギ)41. 海猫(ウミネコ)42. 駒鳥(コマドリ)43. 濁り鮒(ニゴリフナ)44. 蚯蚓(ミミズ)45. 羽抜鶏(ハヌケドリ)46. 火取虫(ホタル)47. 夏鴨(ナツガモ)48. 青鷺(アオサギ)49. 目高(メダカ)50. 川蜻蛉(カワトンボ)51. 蜘蛛の子(クモノコ)52. 蟻(アリ)53. 蛆(ウジ)54. 蚊遣火(カヤリビ)55. 老鶯(オイウグイス)56. 時鳥(ホトトギス)57. 星鴉(ホシガラス)58. 蛇(ヘビ)59. 百足虫(ムカデ)60. 鵜(ウ)61. 夏蚕(ナツガ)62. 水鶏(クイナ)

6月の食べ物の季語

1,李(スモモ)2. 夏大根(ナツダイコン)3. 木苺(キイチゴ)4. 石榴の花(ザクロ)5. 桑の実(クワノミ)6. 杏(アンズ)7. 枇杷(ビワ)8. 苺(イチゴ)9. パセリ10. さくらんぼ11. 玉葱(タマネギ)

その他の季語

1,皐月(サツキ)2. 短夜(ミジカヨ)3. 競渡(ケイト)4. 梅雨寒(ツユビエ)5. 螻蛄(ケラ)6. 出水(デミズ)7. 桜桃忌(オウトウキ)8. 田植(タウエ)9. 螢籠(ホタルゴウ)10. 夏の川11. 川狩(カワガリ)12. 蜻蛉生る(トンボウマル)13. 瑠璃(ルリ)14. 風薫る(カゼカオル)15. 緑蔭(リョクイン)16. 螢袋(ホタルブクロ)17. 暑し(アツシ)18. 夏手袋19. 陶枕(トウチン)20. 網戸21. 夏越(ナゴシ)22. 氷室開き23. 青芝24. 熱田祭(アツタマツリ)25. 峰入(ミネイリ)26. 南風(ミナミカゼ)27. 梅雨晴(ツユバレ)28. 竹植う(タケウウ)29. 浮巣30. 翡翠(カワセミ)31. 青桐(アオギリ)32. 白夜33. 仏法僧(ブッポウソウ)34. 木下闇(コシタヤミ)35. 草刈(クサカリ)36. 雪の下37. 夏衣38. 夏帽子39. 夏足袋40. 竹落葉41. 籐椅子(トウイス)42. 形代(カタシロ)43. 鑑真忌(ガンジンキ)44. 時の日45. あいの風46. 五月雨(サミダレ)47. 植田48. 父の日49. 田草取50. 鵜飼(ウカイ)51. 烏賊釣(イカヅリ)52. 蚊帳(カヤ)53. 夏服54. レース55. 夏座布団56. 青簾(アオスダレ)57. 業平忌(ナリヒラキ)58. 茅の輪(チノワ)59. 青嵐60. 夏木立61. 青葉62. 夏野63. 一八(イチハツ)64. 競馬65. 溝浚へ(ミゾサラエ)66. 走り梅雨67. 五月晴68. 代田(シロタ)69. 草取70. 釣堀71. 万緑72. 竹の皮脱ぐ73. 五月富士74. 夏暖簾75. 袷(アワセ)76. 夏帯77. 夏蒲団(ナツブトン)78. 葭簀(ヨシズ)

6月の季語を使った俳句の一例を紹介

出典:https://www.sozai-library.com

葵(あおい)

  • 例句:「うらかなし 葵が天へ 咲きのぼる」
  • 作者: 三橋鷹女(みつはし たかじょ)
  • 補足: 葵の葉には太陽を追う向日性があることからその名がつけられました。この俳句では、葵の花が空に向かって咲き誇る様子を詠み、その姿から感じる哀愁やうら寂しさを表現しています。

蛙(かわず)

  • 例句:「灯火も 人にもらひて 初蛙」
  • 作者: 中村汀女(なかむら ていじょ)
  • 補足: 初夏に鳴き始める蛙の声を、灯りや人々からの借り物として描き、季節の移り変わりと共に生きる生き物の姿を詠んでいます。

五月雨(さみだれ)

  • 例句:「五月雨や 色紙はげたる 古屏風」
  • 作者: 斯波園女(しば そのめ)
  • 補足: 五月雨の長雨によって色あせた古屏風を通して、時の流れと共に変わるものの儚さを詠んでいます。

梅雨(つゆ)

  • 例句:「梅雨ふかし 見えざる糸を 誰が引く」
  • 作者: 鈴木真砂女(すずき まさごじょ)
  • 補足: 梅雨の深い時期に、見えない糸を引く存在を想像させるこの句は、雨によって引き起こされるさまざまな出来事や感情の移ろいを表しています。

梅雨入(つゆいり)

  • 例句:「十薬の 花の十字の 梅雨入かな」
  • 作者: 石田波郷(いしだ はきょう)
  • 補足: 梅雨入りの頃に咲く十薬(どくだみ)の花を題材に、梅雨の始まりを告げる自然のサインを詠んでいます。また、梅雨の時期には栗の花が雨によって落ち、「栗花落(ついり)」とも呼ばれます。

梅雨寒(つゆざむ)

  • 例句:「梅雨寒の 日の出早かれ 柳散る」
  • 作者: 渡辺水巴(わたなべ すいは)
  • 補足: 梅雨の期間中に感じる寒さ(梅雨寒)と早い日の出、そして柳の花が散る様子を詠み、梅雨特有の涼しさや情景の移り変わりを表しています。

梅雨の月(つゆのつき)

  • 例句:「梅雨の月 ありやとかざす 掌に」
  • 作者: 加藤楸邨(かとう しゅうそん)
  • 補足: 梅雨の季節を「梅雨の月」と詠み、その時期ならではの雰囲気を掌に映す様を描いています。この句では、”ありや”という疑問形を用いて、季節の移り変わりや自然の美しさに対する感嘆や思索を表現しています。

梅雨晴れ(つゆばれ)

  • 例句:「南蛮絵 梅雨晴れたれば 歩く様」
  • 作者: 長谷川かな女(はせがわ かなじょ)
  • 補足: 梅雨の合間の晴れ間を「梅雨晴れ」と呼び、この句ではその晴れた日に南蛮絵のような鮮やかな風景を歩く情景を描いています。南蛮絵は、日本に西洋文化が伝わった安土桃山時代に描かれた、異国情緒あふれる絵画を指します。

梅雨夕焼(つゆゆうやけ)

  • 例句:「ほのぼのと 梅雨夕焼けの 夕べかな」
  • 作者: 原石鼎(はら せきてい)
  • 補足: 梅雨時に見られる夕焼けは、特有のしっとりとした空気感を持ちます。この句は、そんな梅雨の夕焼けがもたらす穏やかな夕べの美しさを表現しています。

枇杷(びわ)

  • 例句:「枇杷の蝉 かすかに鳴ける 逮夜かな」
  • 作者: 西島麦南(にしじま ばくなん)
  • 補足: 逮夜(たいや)は、特定の忌日の前夜を意味します。枇杷の木に蝉が鳴く様子を通じて、初夏の一幕を切り取った句です。

六月(ろくがつ)

  • 例句:「六月や 堤の下の 二階建」
  • 作者: 野村喜舟(のむら きしゅう)
  • 補足: 六月の風情を堤下の二階建ての家を描くことで表現しています。季節の移り変わりと共に人々の生活が続いている様子を感じさせます。

水無月(みなづき)

  • 例句:「走馬燈 青水無月の とある夜の」
  • 作者: 山口誓子(やまぐち せいし)
  • 補足: 水無月は旧暦で6月を指し、新緑が美しい季節です。この句は、水無月の夜に過去を振り返る走馬灯のような思いを詠んでいます。

入梅(にゅうばい)

  • 例句:「入梅や 蟹かけ歩く 大座敷」
  • 作者: 小林一茶(こばやし いっさ)
  • 補足: 入梅は梅雨入りを意味し、この句では梅雨の始まりと共に、のどかな情景を描いています。蟹が歩く様子は、季節の変化を感じさせる風物詩です。

花柘榴(はなざくろ)

  • 例句:「花石榴 久しう咲いて 忘られし」
  • 作者: 正岡子規(まさおか しき)

花橘(はなたちばな)

  • 例句:「駿河路や 花橘も 茶の匂ひ」
  • 作者: 松尾芭蕉(まつお ばしょう)

花菖蒲(はなしょうぶ)

  • 例句:「こんこんと 水は流れて 花菖蒲」
  • 作者: 臼田亜浪(うすだ あろう)

昼顔(ひるがお)

  • 例句:「昼顔に 猫捨てられて 泣きにけり」
  • 作者: 村上鬼城(むらかみ きじょう)
  • 解説: 昼顔が咲く時間帯に捨てられた猫の悲しみを描いています。昼顔の儚さと捨てられた猫の情景が、切ない情感を伝えます。

青梅(あおうめ)

  • 例句:「青梅が 闇にびつしり 泣く嬰児」
  • 作者: 西東三鬼(さいとう さんき)
  • 解説: 青梅の酸っぱさや若さを、暗闇の中で泣く赤ん坊のイメージと結びつけています。梅の成長過程と人間の感情が重なり合っています。

酢漿の花(かたばみのはな)

  • 例句:「かたばみの 花の宿にも なりにけり」
  • 作者: 岩間乙二(いわま おつに)
  • 解説: 酢漿草の小さな花が宿となる様子を詠んでおり、自然の中の小さな生命の営みに光を当てています。

椎の花(しいのはな)

  • 例句:「椎の花 こぼれて水の 暗さかな」
  • 作者: 増田手古奈(ますだ てこな)
  • 解説: 椎の花が水面にこぼれ落ちる様子を通じて、水の暗さとその美しさを対比しています。

釣鐘草(つりがねそう)

  • 例句:「昼ふかく 釣鐘草は 崖に垂る」
  • 作者: 桂秀草(かつら ひでくさ)
  • 解説: 釣鐘草が崖から垂れ下がる様子を昼過ぎの静けさと共に捉えています。時間の流れと自然の美しさを感じさせる一句です。

藻の花(ものはな)

  • 例句:「藻の花の 重なりあうて 咲きにけり」
  • 作者: 正岡子規(まさおか しき)
  • 解説: 藻の花が水面に密集して咲く様を描き、自然界の豊かさや生命力を表現しています。

鮎(あゆ)

  • 例句:「鮎くれて よらで過ぎゆく 夜半の門」
  • 作者: 与謝蕪村(よさ ぶそん)
  • 解説: 鮎を贈られた情景を詠んでおり、夜半に静かに過ぎ去る時間の流れと共に、人と人との絆を感じさせる一句です。

紫陽花(あじさい)

  • 例句:「紫陽花に 瞳ばかりの 記憶あり」
  • 作者: 長谷川かな女(はせがわ かなじょ)
  • 補足: 紫陽花の色の変化を、変わりゆく記憶や感情と重ね合わせています。「七変化」「八仙花」とも呼ばれる紫陽花の多様な表情を捉えています。

雨蛙(あまがえる)

  • 例句:「或る時は 雨蛙なき 雨来る」
  • 作者: 高野素十(たかの すじゅう)
  • 解説: 雨蛙の鳴き声と雨の到来を結びつけ、自然の循環や生命の営みを表現しています。

瓜の花(うりのはな)

  • 例句:「瓜の花 雫いかなる 忘れ草」
  • 作者: 松尾芭蕉(まつお ばしょう)
  • 解説: 瓜の花に宿る雫を「忘れ草」と詠んでおり、はかない夏の情景を感じさせます。

桜桃(おうとう)

  • 例句:「桜桃の みのれる国を まだ知らず」
  • 作者: 三橋鷹女
  • 解説: 桜桃が実る風景を前にして、未だ見ぬ国の美しさやその広がりを想像しています。

柿の花(かきのはな)

  • 例句:「柿の花 散るや仕官の 暇無き」
  • 作者: 正岡子規(まさおか しき)
  • 補足: 柿の花が散る様子を通じて、忙しい日々の中で自然の美を見る暇もない官僚の生活を詠んでいます。ここでは、季節の移ろいに対する刹那的な美しさと人の世の忙しなさが対比されています。

かたつむり

  • 例句:「かたつむり 十日の雨を なほ倦まず」
  • 作者: 山口青邨(やまぐち せいそん)
  • 補足: 長雨にもめげずに這い続けるかたつむりの姿から、逆境に負けない強さと忍耐を読み取ることができます。自然の中の小さな生き物が持つ生命力を讃えています。

黴(かび)

  • 例句:「末の子が 黴と言葉を 使ふほど」
  • 作者: 中村汀女(なかむら ていじょ)
  • 補足: 梅雨の時期に家の中で生じる黴を題材にして、家庭内の日常風景を描いています。子どもが黴という言葉を使うことで、季節感が家族の中にも根付いている様子が伝わります。

空梅雨(からつゆ)

  • 例句:「空梅雨の 草木しづかに 曇りけり」
  • 作者: 日野草城(ひの そうじょう)
  • 補足: 梅雨でありながら雨が少ない「空梅雨」の静かな風景を描いています。草木が静かに佇む曇り空の下の情景からは、期待される雨の不在が感じられます。

黒南風(くろはえ)

  • 例句:「黒南風に 雲低き日と なりにけり」
  • 作者: 稲畑汀子(いなはた ていこ)
  • 補足: 梅雨の季節に吹く湿った南風「黒南風」を通じて、雲が低く垂れ込める重苦しい日の情景を詠んでいます。季節特有の湿気とその圧迫感が表現されています。

早苗(さなえ)

  • 例句:「早苗水 走り流るる 籬に沿ひ」
  • 作者: 杉田久女(すぎた ひさじょ)
  • 補足: 田植えの時期、早苗を植える水田の清らかな水が流れる様子を描き、新緑の美しさと農作業の営みを感じさせます。

紫蘇(しそ)

  • 例句:「紫蘇の香に をりをり触れて 黙りをり」
  • 作者: 加藤楸邨(かとう しゅうそん)
  • 補足: 紫蘇の独特の香りを通じて、夏の訪れを感じさせる一句です。自然との触れ合いの中で感じる季節の移り変わりが静かに詠まれています。

芒種(ぼうしゅ)

  • 例句:「芒種なり 水盤に粟 蒔くとせむ」
  • 作者: 草間時彦(くさま ときひこ)
  • 補足: 芒種は、稲や麦などの種まきの時期を指します。この句では、種をまく行為を通じて、農業に根ざした生活と自然の循環を表現しています。

夏至(げし)

  • 例句:「枝を伐る 夏至の日深く 響きたり」
  • 作者: 阿部みどり女(あべ みどりじょ)
  • 補足: 一年で最も日が長い夏至の日、木を伐る音が響く様子を通じて、夏の訪れと自然の中での人の営みを感じさせる句です。

このリストに挙げた俳句はほんの一部に過ぎませんが、やはり梅雨の季節を反映して、「梅雨」を季語として含む句や、

紫陽花やかたつむりといった梅雨を象徴する題材を用いた俳句が目立つことがわかります。

これらは、梅雨特有の風情や自然の美しさを詠み込む俳句の豊かさを示しています。

6月の季語の使い方

南風

読み方は「みなみかぜ」または「なんぷう」とされ、ジメジメとした湿気を帯びた暑さを感じさせる風の特徴を捉えています。この風は、抑えきれない湿気と暑さが漂う季節感を表現する際に適しており、そうした気候による心身の重苦しさや不快感を詠み込むのに役立ちます。

南風は6月を象徴する季語として位置づけられていますが、さらに具体的な表現として「黒南風(くろはえ)」を用いることで、梅雨の季節に暗い雲が立ち込め、重厚な湿気を伴う風を指すようになります。この表現は6月の風情、特に梅雨時の重たい空気感をより鮮明に描き出します。

一方で、「白南風(しらはえ)」という言葉を使うことで、梅雨明けを迎え、晴れ渡る空の下で吹く爽やかな風を意味するように変わります。この季語は7月の清々しい気候や心地よい風を象徴し、梅雨が終わりを告げ、夏の訪れを感じさせる風景を詠むのに適しています。

南風とその変化を表す「黒南風」「白南風」を用いることで、6月から7月にかけての季節の移り変わりや、それに伴う自然と人々の心情の変化をより豊かに表現することができます。

梅雨晴れ

梅雨晴れとは、長く続く雨と曇りの日々の中で突如として訪れる晴れ間のことを指し、その予期せぬ晴れがもたらす明るさと喜びを象徴する6月の季節感あふれる季語です。この時期、ふと訪れる晴れの日は、梅雨のじめじめとした気分を晴らし、心に一筋の光をもたらします。

梅雨晴れは、正岡子規や山頭火といった著名な俳人たちにも愛され、彼らの作品の中で幾度となく詠まれてきました。この季語を用いることで、暗い梅雨の日々の中で見出した小さな幸せや、自然の移ろいへの敏感な感受性を表現することができるでしょう。

また、梅雨晴れにはもう一つの側面があり、梅雨の終わりと共に訪れる本格的な晴天を予感させる意味合いも持ち合わせています。この二重の意味を持つ梅雨晴れを使って、あなた自身の感じる梅雨の風情や、晴れ渡る空への期待感を詠んでみるのはいかがでしょうか。梅雨の複雑な情感や季節の変化を捉えた一句が、詩的な世界を広げてくれるはずです。

五月晴れ

五月晴れ(さつきばれ)は、梅雨の季節に現れる晴れ間を指す、6月の季節感を表す季語です。一見、「五月」という名前がついているため「6月の季語としては不思議?」と感じるかもしれませんが、実はこれには理由があります。

ここで言う「五月」は、現在の新暦ではなく、旧暦に基づく5月のことを指しています。旧暦の5月は、新暦で言うところの6月に相当するため、五月晴れは実際には6月の気象や心象風景を表す季語となるのです。

つまり、五月晴れは梅雨の合間に訪れる貴重な晴れの日々を捉え、その明るく晴れ渡る空の様子や、そこから感じられる清々しい気持ちを詠むのに適した季語と言えます。この期間特有の気候や、晴れ間に感じる喜びを表現する際に活用してみてください。

短夜

短夜、これは「みじかよ」と読み、6月に詠むべき季語です。文字通り、「短い夜」を意味しています。長い冬の夜を経て、春を経由し、夏に近づくにつれて日中の時間が延び、夜の時間が短くなる現象を表します。この季語は、そんな夜の短さを感じる寂しさや切なさ、あるいは夏の訪れを感じる喜びや活動の増加を詠み込むのに適しています。

特に夏至の頃、つまり一年で日が最も長く夜が最も短くなる時期に詠むと、季節の移り変わりを感じさせるのに格好良いでしょう。短夜は時候の挨拶にもぴったりで、この時期の手紙やメッセージでは、相手に夏の訪れを感じさせることができます。

ここで紹介した短夜の使い方は一つの例に過ぎません。季節の変わり目は多様な感情や情景を喚起するため、短夜を含めた様々な季語を使って、あなた独自の視点で季節の美しさや感慨深さを表現してみてください。

6月の季語の使い方やコツ

6月の季語を使う際には、その季節特有の風情や情景を思い浮かべながら詠むことが重要です。

6月は日本では梅雨の時期にあたり、生命が息吹く自然の変化が豊かに感じられる時期です。

以下に、6月の季語を使った俳句の作り方についていくつかのポイントを示します。

1. 季節感を大切にする

6月の季語を使う際には、その季節ならではの感覚や情景を大切にしましょう。例えば、「紫陽花(あじさい)」は梅雨の象徴的な花であり、「蛙(かわず)」はこの時期によく聞かれる鳴き声を持つ生き物です。これらの季語を使って、雨に濡れる花や、雨音に混じる蛙の鳴き声など、6月ならではの風情を表現します。

2. 梅雨の美しさや哀愁を表現する

梅雨の時期は湿気が多く、じめじめとした日が続きますが、その中にも独特の美しさや哀愁があります。例えば、「梅雨晴れ(つゆばれ)」の季語を使って、晴れ間の清々しさや、雨上がりの新鮮な空気を詠むことができます。また、「梅雨寒(つゆざむ)」を使って、意外な涼しさや肌寒さを表現することも可能です。

3. 自然との共生を感じさせる

6月の季語には、自然界の生き物や植物が多く含まれています。これらを使って、人間と自然との関わりや共生を感じさせる俳句を作ることができます。例えば、「蛍(ほたる)」を季語として使うことで、夜の自然の中でひときわ輝く生命の美しさを詠むことができます。

4. 日常生活の中の一コマを切り取る

6月の季語は、日常生活の中で感じる季節の変化を表現するのにも適しています。「網戸」や「蚊帳(かや)」など、梅雨時に使われる生活用品を季語として取り入れることで、生活の中の季節感を詠み込むことができます。

6月の時候の挨拶を紹介

6月は日本の四季の中で梅雨の季節にあたり、新緑が生い茂り、花々が雨に濡れて一層鮮やかに見える時期です。

この時期の時候の挨拶では、梅雨特有の風情や、夏への期待を込めた言葉遣いが好まれます。

以下は、6月にふさわしい時候の挨拶の例です。

  • 青葉の候(あおばのこう)
  • 初夏の候(しょかのこう)
  • 入梅の候(にゅうばいのこう)
  • 深緑の候(ふかみどりのこう)
  • 梅雨の候(つゆのこう)
  • 紫陽花の候(あじさいのこう)
  • 桜桃の候(おうとうのこう)
  • 向暑の候(こうしょのこう)
  • 薄暑の候(うすあつのこう)
  • 小夏の候(しょうかのこう)
  • 梅雨の候(つゆのこう)※重複しています
  • 梅雨晴れの候(つゆばれのこう)
  • 梅雨寒の候(つゆざむのこう)
  • 空梅雨の候(からつゆのこう)
  • 夏至の候(げしのこう)
  • 麦秋の候(ばくしゅうのこう)

などなど様々あります。 主に、梅雨を表す時候が多いですね。


拝啓
初夏の候、皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
日増しに緑が深まり、花々が雨に濡れて一段とその色を深めるこの時期、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
梅雨のじめじめとした日々も、心豊かに過ごされますように。
敬具


梅雨の候、貴社におかれましては益々のご繁栄をお祈り申し上げます。
6月に入り、梅雨の季節を迎え、時には曇り空が続くこともございますが、雨上がりの清々しい空気と共に、心新たに日々の業務に邁進されていることと存じます。
本月も変わらぬご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
敬具


敬啓
緑濃き初夏の候、皆様のご健勝とご発展を心よりお祈りしております。
梅雨入りし、時折見せる晴れ間が一層心を晴れやかにしてくれる今日この頃、皆様にとっても実り多き時期となりますよう願っております。
今後とも変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
謹言


これらの例文は、季節の変化を感じさせるとともに、相手への思いやりや期待を伝える内容になっています。時候の挨拶では、季節感を大切にしつつ、相手に対する敬意や感謝の気持ちを表現することがポイントです。

改まった相手に対しての挨拶の例文を紹介

  1. 若葉青葉の候(わかばあおばのこう)
    • 解説: 新緑が美しく茂る初夏の時期を指します。新鮮な緑が生い茂り、生命力溢れる季節の到来を告げる言葉です。
  2. 時候不順の折(じこうふじゅんのおり)
    • 解説: 天候が安定しない、予測が難しい時期を表しています。梅雨に入ると天気がコロコロ変わることが多く、この言葉はその不安定さを表現しています。
  3. 清々しい初夏を迎え(せいせいしいしょかをむかえ)
    • 解説: 爽やかで心地よい初夏の季節の始まりを意味します。暖かく、時には涼しい風が吹く初夏は、多くの人にとって過ごしやすい時期です。
  4. 雲の晴れ間の青空も懐かしく(くものはれまのあおぞらもなつかしく)
    • 解説: 梅雨の時期に時折見られる晴れ間を通じて、青空の美しさが一層際立つ様子を表しています。雨の日が多い中での晴れ間は、人々にとって懐かしく、また新鮮に映ります。
  5. 初夏の風に肌も汗ばむ頃(しょかのかぜにはだもあせばむころ)
    • 解説: 初夏になると暖かさが増し、風に触れると肌が汗ばむようになる季節の変化を指します。この時期は、外で活動するのに気持ちの良い季節です。
  6. 暑さ日増しに厳しく(あつさひましにきびしく)
    • 解説: 初夏から本格的な夏にかけて、日々暑さが増していく様子を表します。この表現は、これから訪れる夏の厳しい暑さへの準備や心構えを思わせます。

どうでしょうか?

「~の候」や「~の折」という表現を用いることで、文面全体から敬意や丁寧な態度が感じられますね。

親しい相手に対しての挨拶の例文を紹介

  • すがすがしい初夏の季節となりました
    • 解説: 新緑が眩しい初夏の清々しさを感じさせる時期。生気に満ちた空気が心身をリフレッシュさせます。
  • 雨に映える紫陽花の花も美しく
    • 解説: 梅雨時に咲く紫陽花が、雨に濡れて一層鮮やかに見える様子。雨特有の風情を楽しむことができる季節です。
  • うっとうしい梅雨の季節となりましたが
    • 解説: 湿度が高く、じめじめとした気候が続く梅雨の時期。不快感を感じやすいが、この時期ならではの風景もあります。
  • 梅雨明けが待ち遠しい今日この頃
    • 解説: 梅雨の終わりと共に訪れる晴れの日々を心待ちにする気持ち。梅雨明けは夏本番の始まりを告げます。
  • 初夏の風に肌も汗ばむ頃
    • 解説: 暖かくなり始めた初夏に感じる、風に触れて感じる心地よい汗ばみ。活動的になりやすい気候です。
  • 木々の緑が目にしみる今日この頃
    • 解説: 初夏に深まる木々の緑が、目に鮮やかに映える様子。自然の美しさが一層際立つ時期です。
  • 吹く風も次第に夏めいてまいりましたが
    • 解説: 初夏から夏にかけて、風の感じ方にも夏の暑さが感じられ始めること。季節の変わり目を感じさせます。
  • クチナシの香りが漂う季節となりました
    • 解説: 初夏に香り高く咲くクチナシの花が、その香りを周囲に広げる時期。香りを通じて季節の移り変わりを感じます。

比較してみるとどう感じますか?

改まった相手への文面と比べると、親しい相手への文面は一層簡潔で、肩の力が抜けたような温かみのある印象が伝わってきますね。

6月暦・行事といえば何??

  • 6月1日:衣替え
    日本では、夏の訪れとともに衣替えが行われます。この日から夏服への切り替えが推奨され、多くの職場ではクールビズが始まります。軽装によって暑さを和らげ、エネルギーの節約を図る日です。
  • 6月10日:時の記念日
    「時の記念日」は、時間の大切さを認識し、時間を守る文化を育むことを目的としています。この日は、日本で最初の時刻表が発行された日を記念して制定されました。
  • 6月11日:入梅
    「入梅」は梅雨の始まりを意味します。この時期は日本の多くの地域で雨が多くなり、湿度が高くなります。梅雨特有の風景や生活が始まる日です。
  • 6月16日:嘉祥の日(別名:和菓子の日)
    「嘉祥の日」は、和菓子を通じて日本の伝統文化の理解を深め、和菓子の魅力を再発見することを目的としています。この日は、疫病退散を祈って和菓子が供えられた歴史的な出来事にちなんでいます。
  • 第3日曜日(2022年は6月19日):父の日
    父親に感謝を表する日で、世界中で広く祝われています。プレゼントやカード、食事などを通じて父親への感謝の気持ちを表します。
  • 6月21日:夏至
    夏至は、一年で最も日が長くなる日です。この日を境に、徐々に日が短くなり始めます。夏の訪れを感じさせる重要な自然現象の日です。
  • 6月30日:夏越の祓(なごしのはらえ)
    年に二度、6月と12月に行われる大祓式の一つで、この日は半年間の罪や穢れを祓い清め、残り半年の無病息災を祈願します。人々は茅の輪をくぐり、身を清める儀式に参加します。

6月の旬の食べ物・梅雨の時期のオススメ!

出典:https://www.suntory-kenko.com/column2/article/5694/

6月は梅雨の時期であり、旬の食べ物を楽しむことができます。この時期に特におすすめの食材を紹介します。

魚介類

  • アジ:脂が乗り、刺身や塩焼き、南蛮漬けに適しています。
  • カツオ:初夏に旬を迎えるカツオは、たたきや刺身でその新鮮さを楽しめます。
  • イカ:プリプリの食感が楽しめ、刺身やイカそうめん、炒め物に最適です。

野菜

  • ズッキーニ:炒め物やグリル、サラダに使える夏野菜です。
  • きゅうり:暑い時期に水分補給にもなるサラダや漬物に良いです。
  • トマト:生食はもちろん、ソースやジュースに加工しても美味しいです。
  • 茄子:焼き茄子や煮物、揚げ物など、多様な料理で使えます。

果物

  • 梅:梅雨時期に収穫される梅は、梅酒や梅干しの他、ジャム作りにも適しています。
  • さくらんぼ:甘酸っぱいさくらんぼは、そのまま食べるのはもちろん、デザートにも使えます。

梅雨の時期におすすめの料理

  • 梅を使った料理:梅雨のジメジメを吹き飛ばすさっぱりとした味わいの梅を使った料理は、この時期にぴったりです。梅酒や梅干しを自家製で作るのもおすすめです。
  • 天ぷら:さくっとした食感の天ぷらは、ジメジメした気分を晴らしてくれます。旬の野菜や海鮮を使って、家庭で揚げてみるのはいかがでしょうか。
  • 酢の物:酢の物は体を冷やし、食欲を刺激します。アジやカツオなどの魚介を使った酢の物は、この時期にさっぱりと楽しめます。

これらの旬の食材を活用して、梅雨の時期でも食卓を彩り、心身ともにリフレッシュしましょう。

まとめ

6月を題材にした季語や俳句、時候の挨拶を紹介しました。

特に、梅雨や雨に関連する内容が中心でした。

この季節特有の植物や食べ物を取り入れることで、受け取る人にも季節の移り変わりをより深く感じてもらえるでしょう。

ここでは、紹介した季語を活用して、俳句や手紙の文面を作成してみましょう。

季節感溢れる表現を通じて、6月の風情を伝えてみてください。

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