ppp「晩春の候」は、春の終わりを感じさせる美しい表現です。
この記事では、「ばんしゅんのこう」と読む「晩春の候」の使い方を、具体的な例文と共に詳しく解説していきます。
晩春の候の読み方や意味
ここでの「晩」は「終わりの頃」を意味し、「晩春」は「春の終わり頃」、すなわち「春の末」を表します。
そのため、「晩春の候」という表現は、「春も末期に差し掛かっていますね」という意味合いで使用されます。
晩春の候はいつ？いつまで・何月まで使える？
「晩春の候」は、約4月4日の清明から5月4日頃、立夏の前日まで使用される時候の挨拶です。二十四節気において、四季は「初」「仲」「晩」という三つの区分に分けられます。この分類により、春季も「初春」、「仲春」、「晩春」と三段階に細分化されます。それぞれの期間は、季節の変遷を象徴し、「晩春」は春季の終わり、夏の訪れを前にした時期を指します。このように、時候の挨拶は季節の移り変わりを表現する美しい方法であり、手紙や挨拶文で季節感を加える際に用いられます。
春を三つに分けると↓↓
- 初春：立春（2月4日頃）～啓蟄の前日（3月4日頃）
- 仲春：啓蟄（3月5日頃）～清明の前日（4月3日頃）
- 晩春：清明（4月4日頃）～立夏の前日（5月4日頃）
二十四節気において、「清明」の頃から立夏の前日にあたる期間が「晩春」と定義されています。この時期は、4月4日頃から5月4日頃までとされ、春の終わりを告げ、夏の始まりにかけての季節を表しています。したがって、「晩春の候」という時候の挨拶は、この期間にぴったり合い、手紙や文書での季節感を表現するのに適した表現です。春も末期に差し掛かり、新緑がまぶしい季節の変わり目を感じさせる挨拶として、非常に適切ですね！
晩春の候と同時期の時候の挨拶
「晩春の候」と同じ時期に使える時候の挨拶は他にも沢山あります♪
- 卯月の候（うづきのこう）
- 皐月の候（さつきのこう）
- 清明の候（せいめいのこう）
- 春暖の候（しゅんだんのこう）
- 陽春の候（ようしゅんのこう）
- 春風の候（しゅんぷうのこう）
- 惜春の候（せきしゅんのこう）
- 残春の候（ざんしゅんのこう）
- 暮春の候（ぼしゅんのこう）
- 春晩の候（しゅんばんのこう）
- 穀雨の候（こくうのこう）
- 新緑の候（しんりょくのこう）
多くの時候の挨拶があり、それぞれの使い分けは確かに難しいですね。
こちらでは上記で紹介した時候の挨拶を使用する適切な時期について説明します。この情報を参考にして、
手紙や挨拶文で使う時候の挨拶を選んでみてください。
晩春と同じ時期に使える時候の挨拶↓↓
- 卯月の候（うづきのこう）
- 読み方: うづきのこう
- 意味: 旧暦の4月の異称。
- 使用期間: 4月いっぱい。
- 皐月の候（さつきのこう）
- 読み方: さつきのこう
- 意味: 旧暦の5月の異称。
- 使用期間: 5月いっぱい。
- 清明の候（せいめいのこう）
- 読み方: せいめいのこう
- 意味: 草木が芽吹く時期を表す。
- 使用期間: 4月4日頃（清明）～5月4日頃（立夏の前日）。
- 春暖の候（しゅんだんのこう）
- 読み方: しゅんだんのこう
- 意味: 春のポカポカとした暖かさを表す。
- 使用期間: 3月中旬頃～4月いっぱい。
- 春風の候（しゅんぷうのこう）
- 読み方: しゅんぷうのこう
- 意味: 春に吹くさわやかな風を表す。
- 使用期間: 3月中旬頃～4月いっぱい。
- 惜春の候（せきしゅんのこう）
- 読み方: せきしゅんのこう
- 意味: 過ぎて行く春を惜しむ意味で使われる。
- 使用期間: 4月4日頃（清明）～5月4日頃（立夏の前日）。
- 残春の候（ざんしゅんのこう）
- 読み方: ざんしゅんのこう
- 意味: 春の終わりを表す。
- 使用期間: 4月4日頃（清明）～5月4日頃（立夏の前日）。
- 暮春の候（ぼしゅんのこう）
- 読み方: ぼしゅんのこう
- 意味: 春の末を表す。
- 使用期間: 4月4日頃（清明）～5月4日頃（立夏の前日）。
- 穀雨の候（こくうのこう）
- 読み方: こくうのこう
- 意味: 物を育てる雨を指す。
- 使用期間: 4月20日頃（穀雨）～5月4日頃（立夏の前日）。
晩春の候と一緒に使える季語一覧を紹介
晩春の候と一緒に使える季語を挙げます。
晩春は、春の終わりから初夏にかけての季節を指し、この時期に相応しい自然の美や風物詩を表現する言葉が多くあります。
晩春の候と一緒に使える代表的な季語↓↓
- 藤（ふじ）: 春の終わり頃に美しい花を咲かせる植物。
- 牡丹（ぼたん）: 豪華な花が特徴で、晩春に見頃を迎えます。
- 端午の節句（たんごのせっく）: 5月5日のこどもの日に行われる行事。
- 新緑（しんりょく）: 春に若葉が芽吹き、生い茂る様子。
- 八十八夜（はちじゅうはちや）: 立春から数えて88日目、新茶の摘み始めの目安とされる日。
- 若葉（わかば）: 新しく芽吹いた葉のことで、春の象徴。
- 蛍（ほたる）: 初夏に入る頃、夜間に光を放つ昆虫。晩春の終わりごろから見られ始めます。
- 筍（たけのこ）: 春に収穫される竹の子。春の味覚として親しまれます。
- 桜（さくら）の終わり: 桜の花が散り始め、春の終わりを感じさせる季節。
- 躑躅（つつじ）: 春の終わりから初夏にかけて咲く、鮮やかな色の花。
四月の季語一覧
花・春の風・落花・落椿・おぼろ・春日傘・花影・余花・海鳴り・遅桜・春昼・蛙・茶摘・春の宵・巣立ち・紙風船・ぶらんこ・のどか・穀雨・スイートピー・カーネーション・土筆・たんぽぽ・チューリップ・アネモネ・桜・菜の花・木の芽・花の雨・しゃぼん玉・逝く春・春惜む・春の夢・ツバメ・初蝶
五月の季語一覧
八重桜・花過ぎ・夏近し・ハナミズキ・花疲れ若葉・新緑・青葉・富士桜・イチゴ・夏隣・甘夏・柿若葉・風青し・ホトトギス・牡丹・新樹・夏来る・夏めく・風薫る・葉桜・柏餅・金蘭・銀蘭・緑立つ・暮の春・つばくらめ・抱卵・初虹・花守・明日葉・松の芯・藤の花・栃の花・筍
晩春の候を使った例文（書き出し・結び）
出典：about:blank
「晩春の候」の意味と使用する適切な時期について理解できたら、次はこの表現を手紙やはがきでどのように活用するかが気になるところですね。
ここでは、「晩春の候」を巧みに取り入れた手紙の書き出しと結びの言葉の例をいくつか紹介します。
これらの例文を参考にして、季節感あふれる文面を作成してみてください。
書き出しの例・コツ
- 普通の挨拶を含む場合
- 「晩春の候、皆様のご健康と益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。」
- 少し詩的な表現を加える場合
- 「晩春の候、桜の花も最後の美しさを競うかのように咲き誇り、新緑が目に鮮やかに映える季節となりました。」
- 個人的な感情を込める場合
- 「晩春の候、春の終わりを惜しみつつ、新たな季節の訪れを感じる今日この頃、貴方にお便りを差し上げます。」
結びの例・コツ
- 温かい気持ちを込めて
- 「晩春の候のさわやかな風が、皆様に幸せと健康を運んでくれますように。」
- 次の季節への期待を示しつつ
- 「晩春も終わりを告げ、初夏の訪れを感じ始める頃合いです。これから訪れる新しい季節も、皆様にとって実り多きものでありますように。」
- 季節の変化を感謝の気持ちとともに
- 「晩春の候、自然の美しさに心を癒されながら、あなたからの温かい返事を楽しみにしております。」
これらの例文を使うことで、手紙やはがきの書き出しや結びに、季節感を添えることができます。受け取った方が季節の移り変わりを感じ、心温まる文面となるよう心掛けましょう。
書き出しの挨拶
フォーマルな文面（ビジネスや公式の相手宛て）
- 謹啓 晩春の候、貴社におかれましては、ますますのご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
- 謹啓 晩春の候、皆様の益々のご健康とご活躍をお祈りしております。
- 謹啓 晩春の候、貴社の一層のご発展を心からお慶び申し上げます。
- 謹啓 晩春の候、皆様のご健勝とご繁栄を心より願っております。
インフォーマルな文面（友人や家族など親しい相手宛て）
- 若葉が生い茂る美しい季節ですね。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
- 夏の訪れを感じさせる今日この頃、皆様はいかがお過ごしですか。
- 風薫るこの季節、皆様のお健やかな日々を思っています。
- 不安定な気候が続きますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
「謹啓」はより敬意を表す表現であり、公式の文書やビジネスシーンでの手紙の書き出しに適しています。
一方、親しい相手には、季節の移り変わりを感じさせるやさしい言葉遣いで始めることが、相手に暖かい気持ちを伝えることに繋がります。
結びの挨拶
フォーマルな文面（ビジネスや公式の相手宛て）
- 若葉が輝く季節となりました。貴殿（貴社）の一層のご健康とご発展を心からお祈り申し上げます。
- 新たな舞台でのご活躍を心より願っております。
- 花冷えの候、どうぞご自愛いただき、健やかな日々をお過ごしください。
- 今後も変わらぬご縁とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
インフォーマルな文面（友人や家族など親しい相手宛て）
- 寒暖の差が激しいこの頃です。どうかお体を大切にしてくださいね。
- 季節の変わり目、体調を崩しやすい時なので、くれぐれもお大事にしてください。
- 気持ちの良い暖かさが増してきましたね。いつものように元気でいてください。
- 夏が近づいてきていますね。次にお会いできる日を楽しみにしています。
これらの例文は、手紙やメッセージの文脈によって選び、相手の立場や関係性に応じて使い分けることができます。フォーマルな文面では敬意と祈りを込めた言葉を、インフォーマルな文面では親しみやすさと心配りを感じる言葉を選んでいます。
ビジネスや公式の文書↓↓
- 開始: 「拝啓」は敬意を表して手紙を始める際に用います。
- 終了: 「謹言」や「敬白」で終えることが一般的です。
- 時候の挨拶: 季節を問わず使用できる「時下」を使うこともあります。
- 企業・団体宛: 「ご発展」「ご清栄」「ご盛栄」「ご隆昌」などの表現を用いる。
- 個人宛: 「ご健勝」「ご清祥」などの言葉を使います。
親しい相手に出す手紙↓↓
- あまりにも堅苦しい表現: 「拝啓 晩春の候」は避け、もっと親しみやすい言葉遣いを選びます。
- 女性が書く場合: 「晩春のみぎり」という表現を使っても良いです。
- 開始の例: 「寒暖差が激しい晩春のみぎり、お元気でお過ごしでしょうか。」
- 終了の例: 女性なら「かしこ」、友達には「では、また。」などのフランクな言葉を使って終わらせることができます。
具体的な例↓↓
- ビジネス文書の例: 「拝啓 晩春の候、貴社の一層のご発展を心よりお祈り申し上げます。敬白」
- 親しい相手への手紙の例: 「春の終わりを告げるこの美しい時期に、あなたの健康と幸せを心から願っています。では、また。」
手紙の書き始めと結びは相手との関係性や文書の正式度によって異なります。
ビジネス文書や公式の手紙では「拝啓」で始めて「謹言」や「敬白」で終わることが一般的ですが、季節に関わらず「時下」を使うこともあります。
企業や団体には「ご発展」「ご清栄」などの表現を、個人には「ご健勝」「ご清祥」を使用します。
一方、親しい相手には「晩春の候」を使うと堅苦しい印象を与えるため、より親しみやすい言葉遣いを選ぶのが良いでしょう。
女性が書く場合は、「晩春のみぎり」としても良く、「お元気でお過ごしでしょうか」と体調を気遣う言葉を続けることがおすすめです。
親しい相手への手紙では「では、また。」のようなフランクな言葉で終わらせることができます。
ビジネス文書の例としては、「拝啓 晩春の候、貴社の一層のご発展を心よりお祈り申し上げます。敬白」といった形が考えられます。
一方、親しい人への手紙では、「春の終わりを告げるこの美しい時期に、あなたの健康と幸せを心から願っています。では、また。」というように書くことで、温かみのあるメッセージを伝えることができます。
デジタルの時代こそ、手書きの手紙を送ると好印象です！！
最近、電子メールの便利さに押されがちですが、手紙やはがきには比べ物にならない魅力があります。
字に自信がない人もいますが、手書きのメッセージは相手に確実に感情を伝えます。
デジタルの文字には、どこか冷たさが感じられることがあります。
可能な限り、手紙は手書きで送りたいものです。
さらに、手紙の外見も重要です。見た目が読む気持ちを変え、内容をより良く感じさせることもあります。
そのため、便箋や封筒選びにはこだわりたいものです。
文房具店に行くと、シンプルなレターセットから柄入りやキャラクターものまで、選ぶのに迷うほど豊富に揃っています。ただし、相手が目上の人や、内容に応じては、派手な便箋は避けるべきです。
陽春の候を使って手紙を書くときのおすすめアイテム
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「陽春の候」を使って手紙を書く際におすすめするアイテムは、春を感じさせる優しい色合いやデザインのものです。春らしい暖かみのある色彩や、花や新緑をモチーフにした文房具は、手紙の雰囲気を一層引き立てます。以下に、春の手紙を書く際のおすすめアイテムを紹介します。
- 桜や花柄の便箋と封筒: 春の代表的な花である桜をはじめ、梅やチューリップなどの花柄があしらわれた便箋や封筒は、受け取った人に春の訪れを感じさせます。
- 淡い色合いのペン: パステルカラーのゲルインクペンや水彩感のあるフェルトペンは、春の柔らかな雰囲気にぴったり。手紙に温かみと優しさを加えます。
- 和紙のアイテム: 春の日本の伝統的な美しさを表現する和紙製の便箋や封筒、シールなどは、手紙に趣を加えるのに最適です。
- 花のシールやスタンプ: 春の花をモチーフにしたシールやスタンプを使って、手紙や封筒を飾ると、見た目にも楽しさが加わります。
- 透明感のあるマスキングテープ: 花や緑、春の景色をデザインしたマスキングテープを手紙の封をする際や、文面のアクセントとして使用すると、春らしい華やかさをプラスできます。
これらのアイテムを組み合わせて使用することで、春の訪れを感じさせる手紙を作成することができます。手紙を受け取った人が春の暖かさを感じられるような工夫を凝らしましょう。
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まとめ
「晩春の候」は「ばんしゅんのこう」と読みます。
この時候の挨拶は、4月4日頃の清明から5月4日頃、立夏の前日までの期間に適しています。
ビジネスの文書や親しい人とのやり取りにおいても、その関係性に応じて適切に使い分けることが大切です。
デジタルが主流の今だからこそ、手書きの手紙の価値はさらに際立ちます。
この美しい季節に、心を込めて手紙を書いてみませんか？
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