今回は、「立夏の候の意味や読み方は?使える時期はいつ?例文や結び、同じ時期の季語や挨拶」をご紹介します!
立夏の候の意味や読み方は?使える時期はいつ?例文や結び、同じ時期の季語や挨拶
立夏の候の意味や読み方は?
立夏の候”は、「夏が始まる季節」という意味を持つ言葉で、読み方は「りっかのこう」です。この表現は、年間を春夏秋冬の4つの季節に分類し、さらにそれぞれを細分化した二十四節気の一つ、「立夏」を指します。「立」という字が季節名の前につくのは、「立春」「立秋」「立冬」といった形で春夏秋冬すべてに見られ、それぞれの季節の始まりを意味します。したがって、「立夏の候」は夏の訪れを告げる期間を表すわけです。
なお、「候」の読み方を「そうろう」とするのは誤りで、正しくは「こう」と読む点も、知識として押さえておくと良いでしょう。
立夏の候の時期はいつ?いつまで使える?
手紙を書く際に「立夏の候」を使う適切な時期は、子供の日である5月5日からその後1週間程度になります。
しかし、“立夏”という言葉自体が指し示す具体的な期間は5月5日と6日のみと非常に短いため、その使い道について疑問に思う方もいるかもしれません。ですが、ご安心ください。
実際には5月5日からの1週間程度、この言葉を手紙で活用する機会があります。この時期に手紙を書く際は、「立夏の候」を忘れずに使うことで、季節の挨拶としての彩りを添えることができます。
立夏の候と一緒の時期の時候の挨拶
5月上旬、立夏の候と重なるこの時期に使える時候の挨拶としては、「新緑の候」、「薫風の候」、「晩春の候」、「青葉の候」、「惜春の候」、「残春の候」、「暮春の候」、「葉桜の候」といった表現があります。
- 新緑の候(しんりょくのこう):若葉が生い茂る季節を指します。
- 薫風の候(くんぷうのこう):若葉の香りを運ぶ初夏の風の季節を表します。
- 晩春の候(ばんしゅんのこう):4月末から春の終わりにかけての期間を意味します。
- 青葉の候(あおばのこう):木々の葉が青々と茂る季節を示します。
- 惜春の候(せきしゅんのこう):過ぎ去る春を惜しむ時期を指します。
- 残春の候(ざんしゅんのこう):春の終わりの時期を表します。
- 暮春の候(ぼしゅんのこう):春が終わりに近づく時期を意味します。
- 葉桜の候(はざくらのこう):桜の花が散り、新緑の葉が目立つ季節を示します。
これらは立夏の候と同じ時期に使える、季節の変わり目を感じさせる挨拶です。多様な選択肢があるのは驚きかもしれませんね。
次に、立夏の候に合わせて使える季語について紹介します。
立夏の候と一緒に使える季語一覧
立夏の候に合わせて使える季語は以下の通りです。これらは春から初夏にかけての自然や行事、風物詩を色濃く反映しています。
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・初夏・余花(よか)・菖蒲・矢車・卯玉(くすだま)・蚕蛾(かいこが)・夏場所・筑摩(つくま)祭・新樹・楠若葉・豌豆(えんどう)・都草・鉄線花(てっせんか)・蝦蛄(しゃこ)・飛魚・黒穂・穀象(こくぞう)・卯月(うづき)・葉桜・武者人形・粽(ちまき)・新茶・袋角(ふくろづの)・根切虫・安居(あんび)・新緑・筍飯(たけのこめし)・豆飯・踊子(おどりこ)草・大山蓮華・穴子(あなご)・烏賊(イカ)・麦笛・牡丹・端午・幟(のぼり)・柏餅・古茶・松蝉・練供養・夏花(げばな)・若葉・蕗(ふき)・浜豌豆・擬宝珠(ぎぼうし)・薔薇・鱚(きす)・山女(やまめ)・麦藁・袷(あわせ)・端午・鯉幟・菖蒲湯・繭(まゆ)・薄暑・葵祭・若楓・柿若葉・藜(あかざ)・芍卯(しゃくやく)・雛罌粟(ひなげし)・海酸漿(うみほおずき)・鯖・麦・麦飯。
これらの季語は、子供の日や端午の節句に関連するもの(粽、柏餅、鯉幟など)、また5月の新緑や若葉を象徴するものが多いのが特徴です。
立夏の候にこれらの季語を取り入れることで、手紙や詩、季節の感じを表現する際に豊かなニュアンスを加えることができます。
立夏の候を使った例文(書き出し・結び)
「立夏の候」をテーマにした手紙やはがきを書く方法を考えるにあたり、まずは「書き出し」と「結び」の例文を挙げてみましょう。
書き出しの挨拶の例
- 拝啓 立夏の候、〇〇様にはますますご健勝のことと存じお慶び申し上げます。
- 拝啓 立夏の候、皆様がお元気にお過ごしであることを心より願っております。
- 拝啓 立夏の候、新緑の季節の清々しさに心が和む毎日です。
- 拝啓 立夏の候、日々緑が濃くなり、季節の移り変わりを感じます。
- 拝啓 立夏の候、若葉の美しさが目を楽しませてくれる季節です。
「拝啓」の使い方については、元来「相手に敬意を表して」という意味合いがあります。
現代では立場が同等の相手に対しても使用されることがありますが、この言葉を頭に置いた以上、文章全体を通じて丁寧な表現を心掛ける必要があります。
たとえ親しい間柄であったとしても、敬意を込めた表現を忘れずに、あまりにくだけた表現に流れないよう注意しましょう。
手紙やはがきの結びに関して、立夏の候を意識した挨拶の例文をご紹介します。
結びの挨拶の例
- 新生活が始まり、徐々に慣れてきたころかと思います。引き続きのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
- 次第に暑さが増してきますが、どうぞご自愛くださいませ。
- カレンダー上ではもう夏。暑さが増す中、ご自身の健康に留意されますよう。
- 心地よいこの季節も、お体を大切になさってください。
- 梅雨の季節が近づいております。どうぞご健康にお気をつけて。
手紙の開始に「拝啓」という言葉を添えた場合、結語として「謹啓」、「敬具」、「敬白」を用いるのが一般的です。
また、書き手が女性である場合は、「かしこ」を使っても適切です。
「かしこ」という結語は、平安時代の古語「かしこし」に由来し、「恐れ多く思います」や「敬意をもって申し上げます」の意を表し、手紙の結びに「これで終わりです」というニュアンスを加えます。一方、恋文に用いられることもあり、「あなかしこ」と書き加えることで「この手紙は秘密です」という意味合いを込めたという説もあります。これらの背景は、女性の繊細さや内面の豊かさを象徴するような話であり、紫式部や清少納言のような歴史上の女流歌人もこのような表現を用いていたかもしれません。その思いを巡らせるだけでも、何ともロマンチックですね。
手紙の「頭語」と「結語」を用いることは初めは難しく感じるかもしれませんが、これらを適切に使うことで、受け取る人に対してより良い印象を与えることができます。
文化や伝統を大切にする態度は、相手に敬意を表する素晴らしい方法の一つです。
まとめ
立夏の候は「夏の始まりの季節」を象徴します。
5月5日の端午の節句から約一週間の間に限定されるこの期間は短いものの、ぜひこの時期を効果的に利用してみてください!
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